先の投稿(情報発信力について考える-1)において、情報発信力とは7つの能力や技能を兼ね備えた総合的能力であると定義をしました。その7つの能力や技能を改めてご紹介させていていただくと以下の通りである。
・情報のネタを見つけ出す力(着眼力)
・情報の発想・創造力(企画力)
・情報を作る力(編集能力)
・情報チャンネルを選ぶ力・見つける力
・情報チャンネルを活用する能力(ITリテラシー)
・情報を受け取る人の把握と理解
・コンテクストの把握とタイミング
まず、情報発信において最初に取り掛かるべき作業は、何をさておいても情報のネタを探すことである。ネタを見つけない事には情報発信など始まらないのだが、中小企業の場合、これがなかなか難しいようである。
その理由として、普段から見慣れている物や光景であるために、新鮮さなど全く感じられないことが挙げられる。その影響からか、情報を情報として捉える視点や感性が”錆びついている”とも言えるわけです。つまり、社会や一般消費者にとって、何が情報的価値があるのか判断できなくなってしまっている。
そこへもってきて、SNSで発信すべきトピックもなければ、紹介すべき出来事は無いと思っている節がある。
しかし、私たち外の人から見れば、非常に物珍しい光景だったり、宝のような情報だったりするのも事実で、大変残念なことである。
こうしたことが、中小企業において情報発信ができない最大の原因だと言っても過言ではない。
この様な「情報のネタ欠乏症」を解消する方法を4つほど提案したい。是非ともお試しいただきたい。
(1)複眼的な視点を持ち、多面的に物事を捉える
見慣れた社内にあるモノを情報のネタとして捉えるためには、複眼的な視点を持ち、多面的に物事を見る目を養う事が必要になる。
解決の糸口となるのが、頭の中にサイコロをイメージすることをお勧めしたい。
サイコロを一つの物体と捉えるのでは無く、六面体と捉えそれぞれの面を観察するかのように物事や光景を見つめるようにする。
(2)子どもの視点・素人の視点を持つ
もう一つの解決策は、子どもの目線をもつことである。自分自身の仕事に対して、一度素人の無知なる目線で、自社の製品やサービスを見つめ、素朴な疑問を持つことが情報を生み出す。
(3)オープンスタンスを採る
オープンスタンスとは、企業の中を見せることです。恥ずかしいので見せないではなく、些細なことでも公開する。開かれた企業の演出をすることも情報発信には必要なことである。
(4)情報発信アドバイザーを持つ
多くの中小企業が、情報を情報として捉える視点や感性が”錆びている”か”欠如している”。そうした場合には、社外に情報発見をしてくれるアドバイザーを持つことも「情報のネタ欠乏症」の解決策になるであろう。
SNSが普及した今日、中小企業は小さな独自の放送局を手に入れたと考えるべきで、今後ますます、情報発信力を養うべきだろう。